■ 雨の中に含まれる花粉2(スギ花粉)
昨年(2019)は台風が頻繁に到来し、たびたび雨が降った。 前回、ペットボトルとコーヒーフィルターを使って雨に含まれるスギ花粉を月ごとに調べて報告した。今回は、スギ花粉以外の花粉の存在も調べた。 花粉はいろいろな形があり、スギ花粉は特徴的な形をしているうえ、何度も観察しているので判定には、かなりの自信があるが、他の花粉については似ている形状があって、なかなか同定は難しい。 スギ花粉の他に頻度が多く観察された花粉は次のようである。
このような花粉が季節によってどのように表れたかを表にまとめた。
スギ花粉は春にはもちろん、夏にも観察できた。この理由として、前回記したように、台風が非常に上空に冷凍状態で保存されていたスギ花粉を持ち込んだと想像した。 よく花粉症の原因と間違えられるセイタカアワダチソウ(図6)の花粉は8月の雨の中に多く観察できたが、その後は観察されず、容易に地上に落ちてしまうようだ。 他方、ブタクサの花粉は9月から10月まで雨の中に含まれていた。 写真から、他の花粉が20μm以上であるのに比べ、ブタクサは15μm(体積で二分の一)くらいとかなり小さい。 この事が空中に浮遊している時間が長いのではと想像する。 しかも、ブタクサは花粉症の原因になるといわれているので、秋はこのブタクサが長く空中に漂うため、多くの人が花粉症で悩むのであろう。 以上雨に含まれていた花粉の月別による分布状態を纏める事ができた。 この年はほとんどが台風によって頻繁に雨が降り、観察ができた。 厳密には、大気中に浮遊している花粉を調べたことになるかは疑問ではあるが、頻繁に雨が降り、この方法には好都合であった。 今回は、台風がもたらす雨の中に含まれている花粉の分布を計測して、季節ごとに舞う花粉の種類と量を調べた。 実際にはもっと精密な測定が必要であるが、この方法による計測も何かの役に立つのではと思う。 ―完― | ||||||||||
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