■顕微鏡特別展 in 川口市立科学館



 川口市立科学館で、2009年9月12日〜10月25日まで特別展「双眼実体顕微鏡の世界」が開催された。NHKの熱中時間に出演したきっかけで、この特別展に参画する事ができた。

特別展のパンフレット
図1 特別展のパンフレット


埼玉県川口市立科学館は、川口市のSKIPシティ街区にあり、天文台やプラネタリウム、科学展示室などがある。科学展示室では、通常の展示の他に、各種のイベントが開催されている。今回参画した展示は、年に2,3テーマ企画される特別展である。NHKの熱中時間を見た学芸員の松田さんが声をかけてくださいました。

川口市立科学館の入り口 特別展の会場
図2 川口市立科学館の入り口 図3 特別展の会場


図2は川口市立科学館の入り口です。若い女性のスタッフが笑顔で迎えてくれます。
図3は、特別展「双眼顕微鏡の世界」のメイン会場で、各テーブルには20台以上の光学顕微鏡が備えられ、シャーレに入れた300種類に及ぶ身近な試料が種類別に準備されていた。 入館者は、自分の興味の試料を拡大して、驚いたり、悲鳴を上げたりしていた。

メイン会場の隣のサイエンルームで、私の「電子顕微鏡で観る身近な世界」という展示をさせていただいた。嬉しかったことは、科学館のご好意で、私のパネル原稿をB1版(103x73cm)の大きな印画紙に印刷してくだったことです。小さな電子顕微鏡で撮影した画像が、B1一杯に引き伸ばされた画像を見るのは、迫力があり感激であった。 大きな部屋一杯に展示していただき、正に文ちゃんの個展となった。

電子顕微鏡像の展示コーナー1
図4 電子顕微鏡像の展示コーナー1


電子顕微鏡像の展示コーナー2
図5 電子顕微鏡像の展示コーナー2


パネルはスギ花粉とかテントウムシなどの説明をしたテーマ別と、一枚の写真を一杯に引き伸ばした写真を展示した。

電子顕微鏡展示を見つめる家族 講演の案内掲示板
図6 電子顕微鏡展示を見つめる家族 図7 講演の案内掲示板


図6はお爺さんと孫が、蚊の口器の写真を見て、何か話しているところです。私にも同じような孫がいて、親しみを感じました。
この展示室で、毎週、特別講座を企画していただきました(図7)。休日には、大人を対象とした講座を、金曜日には社会見学で訪れる市内の小学4年生の児童に、特別授業をしました。大人向けの講座では参加者が少なかったが、蚊の口器がどのような構造になっていて吸血するのか、スギ花粉はどこにアレルギーの源があり、どのように飛散するのか、モルフォチョウはどうして鮮やかな青色をしているのか、などの話に興味がもたれ、質問も出た。

金曜日には、小学4年生の児童に一クラスごと説明した。テントウムシがどうしてガラス瓶を登れるか、他の昆虫はどうか、昆虫は六本の脚をどのように動かして歩くのか、ツクシの胞子はどのようにして飛ぶのか、など興味を持って聞いてくれた。また熱中時間に出演した事を話したら、見た人が何人かいて、俳優のように握手を求められた。

小学生への講演1 小学生への講演2ル
図8 小学生への講演1 図9 小学生への講演2


図8,9は市内の4年生児童が、クラスごとに床に座って私の話を聞いてくれたようすです。どの子供たちの目も輝いていて、注目してくれたので、私は高揚して説明をした。一日に何組もの来館があったが、サイエンスの面白さが、伝えられた手ごたえがあり、疲れもどこかに行ってしまった。

特別展が終わった翌週、学芸員から、素敵なプレゼントがありますからと、一冊の本が送られてきた。それを見て、びっくりした。聴講してくれた市立根岸小学校の児童からの感想文集であった。しかも94人全員が、それぞれ感想文を書いてくれたのです。100枚もある厚い文集をめくり、今まで体験しなかった感激に浸った。週末にはさらに市立慈林小学校の児童137人からも感想文集が贈られてきた。子供を持つ娘に話したら、お父さん、それはすごいことだよ、幸せだね、と。確かに、これだけの児童が興味を持ち、反応をしてくれたことは、すごいことだと思う。

児童からの感想文集1 児童からの感想文集2
図10 児童からの感想文集1 図11 児童からの感想文集2


皆さんにも、私の感動を伝えたいと、二校の児童からの感想文の何枚か紹介したい。

A君の感想文 Bさんの感想文
図12 A君の感想文 図13 Bさんの感想文


Cくんの感想文 Dさんの感想文 Eさんの感想文
図14 Cくんの感想文ル 図15 Dさんの感想文 図16 Eさんの感想文


Fさんの感想文ル Gくんの感想文 Hくんの感想文
図17 Fさんの感想文 図18 Gくんの感想文 図19 Hくんの感想文


皆、電子顕微鏡像のすごさなどを感じてくれた。テーマ別では特に、テントウムシはどうしてガラスを登れるかという話は、吸盤の写真が説得力もあり、印象も強かったようだ。私が一番嬉しかったのは、Bさんのように、「調べるって面白い、分かるって楽しい」と感じてくれた人がいたことです。私が一番伝えたかった事を受け取ってくれたのです。Eさんは、話した昆虫がどのように脚を運んで歩くのかを、実際に観察してくれました。大変だったと思う。このように、観察はすべてのサイエンスの入り口だと思う。

また、家に帰って両親に話してくれたことも嬉しかった。親子のサイエンスに関する会話ができるとは、すばらしいことだと思う。意外というか、驚いたのは、インターネットを日常使っている児童が多かったことだ。学校でもパーソナルコンピューターが使えるようだし、三割くらいの児童が家庭でも日常的に使っているようだ。4年生の私の孫も、最近ホームページを見るようになり、おじいちゃんのホームページ見たよとメールをくれた。時代はこんなに変わったのだ。自分の娘や息子が子供だったころには考えられない変革だ。インターネットの影響力や大衆性を使って、今後もサイエンスの面白さを伝えて行きたい。 科学館の皆さん、来館していただいた皆さん、ありがとうございました。

一人で装置の操作と説明をするのは大変なので、今回から装置のデモはやめ、パネル展示と講演に力を注ぐことにした。その方がサイエンスの面白さの説明に集中でき、思いを伝える事ができたと思う。今後、このような形で参画したい。

                                         −完−




タイニー・カフェテラス支配人 文ちゃん

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