■ワークショップ「ミクロとマクロの探検隊」in 目黒美術館 タイニーカフェテラスを訪問してくださった榎本さんという人から、電子顕微鏡について聞きたいというメールがあった。榎本さんは目黒美術館のワークショップの企画や講師を担当されている美術家である。立川の喫茶店でお話したところ、自然の姿の不思議さ、見事さなどの話がはずんだ。そんなこともあり、夏休みに目黒美術館で催される子供のためのワークショップ「ミクロとマクロの探検隊」にタイニーSEMと一緒に参画することになった。 ワークショップは6コースあり、その中の8月9日から4日間開かれる「昆虫王国のごちそうの法則」というコースの二日目に特別講師として迎えてくださった。生徒は応募された20人の小学生でした。10日午前は、今までホームページで紹介した、電子顕微鏡で拡大して観察した自然の美しさ、巧みさなどをスライドを使ってお話した。 (次の三枚の写真は、目黒区美術館の岡川純子さんに撮影していただいたものである)
午後は、各メンバーが持ち寄った電子顕微鏡で観察したい試料の中から、グループで一つを選んでもらい、それを皆で観察した。選ばれた試料は、百合の花の花粉、お米、ぬいぐるみの羊毛、それになんとヤモリのシッポであった。どの試料も拡大するほど、ホーという声が聞こえた。初めての鮮明な拡大像に、感動してくれた。 最後に、皆に電子顕微鏡の回りに集まってもらい、電子顕微鏡の仕組みを説明した。写真でも分かるように、皆興味深く説明を聞いてくれた。
せっかく装置を持ち込んだからと、榎本さんと相談し、ワークショップの終了後、大人の皆さんのための講演会を設定していただいた。美術館の関係者、他の講座を受けておられた大人の受講生など30人くらいに集まっていただいた。まずスライドを使って、電子顕微鏡で見たミクロの世界を紹介した。スギ花粉の拡大像や、テントウムシの脚の吸盤など、興味深く見ていただいた。また試料をどうして作るのか、SEMの操作は難しいのか、などの質問があった。その後美術館から提供していただいたラビス・ラズリ(宝石やウルトラマリンの顔料として用いられていた)の粉末を実際に皆さんとSEM観察した。 美術館での講師というので、何か芸術的なパネルをと思い、今まで撮影した像のいくつかを、明るさ・コントラストを調整して写真展の作品らしく印刷して、部屋に展示していただいた。電子顕微鏡像は普段目にできない、不思議なミクロ構造をみせてくれるので、美術作品の製作にも何かヒントになるのではと思う。その写真の四枚を次に紹介する。
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